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積み木の面取り、あり派ですか?なし派ですか?
アルビスブラン社の積木が良い積み木の条件のひとつとされる「一致感」を考える上でとても面白い素材を提供してくれたので、本記事でご紹介したいと思います。
商品の概要についてはこちらにまとめています。
良い積み木の条件とは
真剣に積み木を選ぼうとすると、ほぼ確実にいくつかの重大な選択に迫られることになります。
代表的な悩みは以下のようなものでしょう。
- 基尺は何cmに揃えるか?
- 白木?それともカラー?
- 面取りはされたもの?それとも最小限に抑えられているもの?
- いくつ揃える?たくさん揃えるとして、収納はどうする??
ここでは「一致感」という感覚を左右する面取り(角を丸くする加工のこと)の有無について取り上げます。
「一致感」の大切さ
積み木遊びというと、並べたり、積んだり、何かに見立てたり。
想像次第でさまざまなものに変化するところに魅力があります。
日本産でおそらく最も有名な積み木をデザインされた童具館の和久洋三さんは、公式YouTubeの対談で以下のように仰っていました。
積み木をこういう風に合わせる時に
子どもは不思議と
この合わさったところを指でスゥーっとさわる子が多いんです。
「一つになった」ということを確かめたいみたい。
「一致感」というのは子どもが一番求めていることなんです。
【童具館公式】和久洋三のYouTubeチャンネル「【集中力を引き出す条件】良いおもちゃとは?〜積木のこだわり〜」
「子どもが投げたら危ないから」「子どもの足に落ちたら怪我をしてしまう」などの理由から面取りされた積み木を選ぶ親御さんは多いです。
そのため、市販されている積木の多くは面取りが施された状態で売られており、安全性が謳われています。
しかし高く積む際の安定を手伝ってくれる密着感、そして「ひとつになる」感覚を大切にするのならば、面取りのない積み木を選ぶことが大切。
日本産でほとんど面取りされていない積み木は、童具館と小さな大工さんのものが有名です。
積み木における「一致感」を体感できるアルビスブラン積木
アルビスブラン社の積木は、面取りに関して「ある」か「ない」かという二項択一のスタンスを取りません。
ほとんどのパーツに面取りがなされているのですが、基本の形に限っては面取りのある部分もあれば、ない部分もあるのです。
大型パーツの多いアルビスブラン社の積木の場合、面取りはデザインの一部として機能しているように思います。
例えば長細いパーツを立てれば、それだけで電柱になったり、柱になったりします。
そのような使い方の場合、面取りはあっても問題ありませんよね。
むしろ面取りによって柔らかさが演出され、作品としての完成度も上がることもあるでしょう。
また、大きなパーツが身体に落ちてきたらと思うと、想像しただけでも痛々しいです。
基本の形だけ面取りにクセがあるのは、理由あってのことだろうと想像します。
アルビスブラン積木の面取りにおける「クセ」
それでは以下の写真をご覧ください。
左側は積木の写真で、右側は面取りの有無を示したものです。
赤が面取りのない辺、黄色が面取りがなされた辺を示しています。
お分かりでしょうか。
積み重ねて表現するのに適した面はピッタリと重なるように、面取りが意図的に省略されているのです。
次に、これらを実際に組み合わせた状態をお見せします。
立方体
左は面取りをしていない面で積んだもの、右は面取りされた面で積んだものです。
左はまるでひとつのパーツになったかのように馴染んでいます。
逆に右は2つのパーツを組み合わせた感じがはっきりと出ていますね。
2色の立方体を縦に4つ積み重ねた場合
次に、アルビスブラン積木の特徴である2色の素材を組み合わせた場合です。
一番左は面取りあり、真ん中と右は面取りなしの面を積み上げています。
左の写真では2色のコントラストがはっきりと出ていますが、真ん中では一体感が出ており、交互に積み重ねたというよりはまるで色を塗ったかのような仕上がりになっています。
一番右に至っては、グラデーションのように見えますね。
同じ4つの立方体の組み合わせなのに、まったく違う顔を見せてくれるところにアルビスブラン積木の真髄があるように思います。
キャラメル型
続いてキャラメル型です。
キャラメル型の場合、細く積み上げた時には一致感を楽しめますが、安定感のある積み方をしようとすると一致感を出せませんでした。
この形ではやむを得ないのかもしれませんが、個人的にはセット内容のなかで面取りの向きが半分ずつになっていたら嬉しかったなと思います。
直角二等辺三角柱
最後に直角二等辺三角柱です。
直角二等辺三角柱は、斜辺に一致感が出るよう面取りがなされていません。
かつ、重ね合わせたときに各辺の面取りの有無は立方体と同じになるように加工されていました。
2色で組み合わせると、おしゃれな立方体になるというアイディアはとても素敵だと思います。
まとめ
今回は、アルビスブラン積木を題材に、積木における面取りと一致感について解説しました。
アルビスブラン積木は、面取りと2色のトーンによって、馴染むようにも、各パーツを強調するようにも積むことができる点に特徴があります。
アルビスブラン社は、つみきにおける芸術性を大事にしているのかもしれませんね。
アルビスブラン積木の概要はこちらの記事でご紹介しています。
基本の形にこそこだわる。
そんな愛に溢れた積み木に触れることができて幸せです。
わが家にあるのは大セットなので、レンガ型(8×4×2cm)の面取りはどうなっているのか気になるところです。
もしお持ちの方がいらっしゃればコメント等で教えてくださいましたら幸いです。
アルビスブランとはまったくコンセプトの異なる積み木として、こちらの記事ではKAPLAをご紹介しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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