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本文は6298文字です。
- 子どもを保育園に入れて働きたくても、もともと非正規雇用だったために産休・育休制度の点数などが入らず、保育園の入園最低点に届かなかったから預けられなかった…
- 保育園に落ちた。復帰は決まっているのにどうすればいいの?
- 週に3日だけ働きたいんだけど、保育園の普通保育は週5日分の料金が一定で取られてしまうのね…
- 毎日子どもの面倒を見るのに疲れてしまった。たまには休みたい…
- 介護や冠婚葬祭で一時的に預けざるを得ない。どうしよう…
赤ちゃんや幼稚園未満の子の育児中、このような悩みをお抱えの方もいらっしゃると思います。
わが家は子どもが生後半年を迎えた4月から、自治体の子育て支援事業(保育園の一時預かり・定期利用)のお世話になっています。
在宅勤務のできる業種であったため保育園の普通保育には申請せず、週に数日だけ一時保育に預けて仕事に集中する日を作る、という選択をしました。
お住まいの自治体によって事業内容は変わりますし、競争率も違うと思うのですが、もしかしたら一時保育とはどんな感じか知りたい保護者もいらっしゃるかもしれないので、この記事ではわたしの例をご紹介したいと思います。
保育園の一時預かり事業とは
保育園のなかには、普通保育とは別に一時保育クラスを設けている場合があります。
利用の方法は、定期利用と不定期利用の2つ。
まずはそれぞれの違いについて解説します。
定期利用
一時預かり・定期利用の利用要件は、「保護者の就労、介護、就学等により、家庭での保育が断続的に困難となる場合」です。
わが家の場合は「保護者の就労」に該当します。
わたしの住む自治体では、1施設あたり週3日まで預けることが可能です。
言い換えれば、2施設利用すれば理論上は週5日預けることも可能だということです。
実際には、保育園に落ちてしまったご家庭の多くが一時預かりに預けて働くことを検討されるので、そこまで空きはないと思います。
わが家は私立の認可保育園で一時預かりの定員が6名のクラスに申し込みをしました。
0歳児はひとりで2枠使います。
そのため、下の子が0歳のときにきょうだいをまとめて一時保育に、というのはかなり厳しいと思います。
申し込み開始日・開始時間に電話して、週2日の枠をいただきました。
それまで昼間はほとんど仕事にならなかったので、火曜日と木曜日は一時保育に預けられることが決まったときの安心感はとても大きかったです。
これで週2回は夜に仕事をせずにすむ…!という安心感ですね。
一時保育の定期利用の良いところは、一度申し込みが成約すると1年間有効というところですね。
普通保育のように卒園までというわけにはいかないのですが、毎月申し込まなくていいだけでとてもありがたいです。
不定期利用
一方、一時預かり・不定期利用の利用要件は、「保護者の育児に伴う心理的・身体的負担の軽減、求職活動、疾病、入院、不妊治療、出産、里帰り出産、冠婚葬祭など、家庭での保育が一時的に困難となる場合」です。
簡単にいえば、「ちょっと休ませて」「この日だけはどうしても!」という時に利用できる制度になります。
ただし、一時保育クラスの定員内に余裕があればお願いできるという条件つきになるので、実際にはかなりの争奪戦になってしまうようです。
利用日数は月15日以内となっていますが、そんなに預けられるご家庭は存在しないのではないでしょうか。
申し込みのタイミングは前月の1日(電話予約)。例えば3月16日に利用したいのであれば、2月1日が申込日です。
申し込みの受付時間は保育園によって異なりますが、かなり早めに予約をしなければ空いていないので急な用事には対応できません。
もう少し短いスパンでお願いしたい時には、ベビーシッターサービスや自治体のファミリーサポート事業の方がおそらく使い勝手がいいので、そちらをご検討いただいた方が良いと思います。
一時保育の内容
時間と利用料金
一時保育は、半日か終日かを選ぶことができます。
半日なら4時間、終日なら8時間と時間は決まっているので、それを超えると延長料金が発生します。
延長料金は1時間あたり250円となっています。
わたしの住んでいる自治体では、利用料金は以下のようになっています。
(生活保護世帯は無料です)
4時間 | 8時間 | |
---|---|---|
3歳未満児クラス | 1,000円+給食費 | 2,250円+給食費 |
3歳以上児クラス | 350円+給食費 | 950円+給食費 |
この料金は、自治体によって定められているものなので保育園や収入によって違いはありません。
給食費は保育園側が決めるので少しばらつきがありますが、だいたい250〜300円でした。
と、いうことはですよ。
週3日だけ預けたいご家庭の場合、だいたい月12日くらい預けることになりますよね。
終日預けたとして、2,250円+給食費250円=1日あたり2,500円。
月12日なら2,500円×12日=月30,000円。
一時保育は都度払い(現金払いか引き落としかは園によります)なので、病気や用事で欠席した場合には料金が発生しません。
また、キャンセル料もかかりません。
普通保育は週に何日預けようが料金は自治体が収入によって決めた一定額です。
コロナの時期なんかは休園の影響を受けると損した気分になったのではないでしょうか。
つまり、ご家庭の収入によっては普通保育に預けるよりかなりの節約になりうるのですよね。
わが家はこのことに気づいて、週5日預けるほどではない期間(しかもコロナ騒動も落ち着いていない間)は一時預かりで様子をみよう、ということになりました。
保育内容:普通保育とのちがい
次に、一時保育の内容についてです。
保育士さんが子どもの保育をしてくれるという点ではなにも変わりません。
特徴的なのは、「年齢の異なる子どもたちが同じ部屋で生活をする」ということだと思います。
縦割りのクラス編成のようなものですね。
そこに預けることを危険と見るか、成長の機会と見るかで見方は変わってきます。
わが家は第一子でしたし、よく人間観察をしている子だったので、年齢が上の子からたくさんの刺激を受けられる一時保育の制度をとても魅力的に思いました。
気になることがあるとすれば、一時保育は一般に定員が少ないので教室が狭いことでしょうか。
広々とした環境で、というわけにはなかなかいかないようです。
それ以外はお外遊びもさせてもらえますし、1日の過ごし方は普通保育とあまり変わらないように思います。
一時預かり申請時の手続き
まずは電話で仮申し込み
上述した通り、まずは前月の1日に電話で申し込みの意思を伝えます。
普通保育とは異なり、一時預かりは園ごとに管理されるので、電話は希望園に直接かける仕組みです。
そのとき園から一時保育の空き状況が伝えられるので、その条件で問題なければ次のステップに進みます。
園で面接(面談)を受ける
園から一時保育について説明を受けます。
わが家の場合はコロナで保育園・幼稚園の休園が相次いでいた時期だったので、部外者の立ち入りはできず、オンライン面接となりました。
「面接」と言われたので選考されるのだろうかとヒヤヒヤしていましたが、実際には面談という感じで、園のルールや1日の過ごし方、必要なもの、今後のスケジュールなどが伝えられました。
保育園あるいは保育園提携の病院で健康診断を受ける
入園に先立って、子どもは健康診断を受ける必要があります。
わが家の場合、保育園で受ける予定だった健康診断を帰省のために受けられなかったので、保育園が提携する病院で健康診断を受けました。
書類を提出して一時預かり開始。最初は慣らし保育から
必要書類もたくさんありました。
定期利用の要件は仕事・介護・学校のいずれかによって自身で保育ができないことなので、父母それぞれの証明書が必要です。
また、祖父母など65歳未満の同居家族による家庭保育の困難も証明が必要です。
そのほかに、以下のような書類の作成が必要になります。どれも預ける以上は当たり前のものですね。
- 一時預かり事業利用申請書
- 問診票
- 健康及び生活状況票
- 家庭における食物摂取状況
- 食事調査表(1歳6か月未満の場合のみ)
これらの書類を期日までに提出して一時預かりが開始になります。
最初は半日の慣らし保育から始まり、慣れてから終日預かりに移行しました。
慣らし保育とはいっても、1時間ではなく4時間スタートでした。これはもしかしたら一時預かりならではかもしれません。
人に預けたことのない生後半年の子をいきなり4時間預けられるんだ!?ということには衝撃を受けました。
このあたりの手続きについては定期利用と不定期利用で少し勝手が違うかもしれないので、お住まいの自治体にご確認くださいね。
9ヶ月間実際に利用してみて感じたメリット・デメリット
一時保育のメリット
- 預けた日だけ料金がかかるので、コストの節約になる
- 縦割り保育が受けられるので、年上・年下からたくさんの刺激が受けられる
- 状況によっては普通保育の子に混じることもできる
- 入園時の持ち点では入れないような人気の園に預けられるかも
上述した通り、わが家が感じた一時保育の一番のメリットはコストの節約でした。
手足口病で2週間ほどお休みしたときも、「普通保育なら保育料は満額かかるんだもんな」と思ったものです。
また、縦割り保育もやはりメリットと言えると思います。
実際にうちの子はとても良い刺激を受けているようで、1歳3ヶ月ながらおままごとや積み木遊びが上手です。
言葉もまだ喃語に近くはありますが、たくさんしゃべっています。
ただ、今年は節電の影響があったからなのか、はたまたいつもそうなのかはわからないのですが、わたしが子どもを預けている園では夏ぐらいから普通保育の子のなかに混ぜてもらっているようです。
これはこれでありがたいですよね。縦割りと横割りのふたつのクラスに所属しているようなものです。
一緒にイベントに参加したりもしているようで、写真をいただけることもあります。
普通保育の子が受けられるような写真販売サービスなどはもしかしたら受けられないのかもしれませんが、チーバくんが遊びに来たときの集合写真は選ばせていただけました。
まだ0歳児クラスの子どもなので、お遊戯会のようなイベントは参加する必要がないですし、それぐらいのサービスを受けられれば御の字なんですよね。
この点は保育園によってかなり差があるかもしれませんが、わたしは一時保育ってすごいなぁ、ありがたいなぁと日々感じています。
そもそも、わが家が一時保育で子どもを預けている保育園は、地域のなかでも普通保育の入園時の点数がとくに高い人気の保育園なのです。
(申し込み時点では知りませんでした)
就業形態や加算条件から、普通保育ではとても受からないような保育園に通えていることもメリットの一つと言えるでしょう。
一時保育のデメリット
- 契約は1年間だけ。継続利用のためには毎年申し込みが必要
- 普通保育入園時の加算対象にならない
- 慣らし保育の期間が長い
- 薬の服用が必要な期間は休ませなければならない
- ママ友・パパ友はできない
一時保育のデメリットは、何よりもまず、小学校入学前までの通園が保証されないことでしょう。
定期利用であれば1年間は継続できますが、やはり毎年うまく枠を取れないといけないという精神的な負荷は大きいです。
しかも、重大な問題もあります。それは、普通保育入園時の加算対象にならないということ!
これは知らなかったので衝撃でした。
普通保育の入園希望を出す際には、フルタイムなら30点、きょうだい同時入園なら、育休明けなら…というように、さまざまな加算をしてなんとか点数を高くしようとするものです。
この点数は希望保育園に入園できるかどうかにおいてとても大切なのですが、なんと認可保育園の一時保育は加算対象外!
加算対象になるのは、認可外保育園やベビーシッターに週3日、1日4時間以上預けた場合のみです。
(わたしの住んでいる自治体では、来年度からファミリーサポートも対象外になってしまいました…)
なので保育園への入園待ちで一時預かりを利用したい場合には、点数にご注意ください。
慣らし保育は保育園にもよりそうですが、多くても週3回しか通わないので長くなるかもしれません。
わが家は4月に入園して、終日預かりになったのは確か7月頃だったと記憶しています。
0歳児だったからかもしれませんが、慣らし保育期間は普通保育の子より長いと覚悟しておいた方がいいかもしれません。
それから、薬の服用については保育園ごとに方針があるようなのですが、一時保育は元気な子が前提となるので薬の服用はさせられないと言われました。
飲ませたいなら休むしかないというのはなかなか大変ですが、仕方ないですね。
さいごに、ママ友・パパ友はできません(笑)
一時保育なので、当たり前といえば当たり前です。保育園なので預ける時間・お迎えの時間もバラバラですし、幼稚園より親同士の関わりは薄い傾向があるのかもしれませんね。
知り合いを作りたかったら、児童館や園庭開放などに連れて行った方が良さそうです。
まぁ、その時間的余裕がないから一時預かりに預けているんですけどね。
まとめ
今回は、保育園の一時預かり制度を解説し、9ヶ月間利用してみた結果をご報告しました。
わが家は一時保育・定期利用のおかげでかなり助かっています。
実はファミリーサポートも併用しているので、そちらについてもそのうちまとめますね。
子どもとの時間が息の詰まるような時間になる前に、自治体のサービスを調べてみてください。
自治体により差があるとはいえ、民間も合わせると色々なサービスがあると思いますよ。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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