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本文は8756文字です。
- おままごとの食材として、リアルなものを用意したい
- 子どもにどんな素材のおままごと食材を与えるか悩んでいる
- フェルトのおままごとに興味がある
おままごとの素材、何を選んでいますか?
このサイトでは、これまでおままごとの食材・具材について、さまざまな記事でご紹介してきました。
例えば、おままごとの食材・具材には具体物と抽象物があるという話に始まり、具体物を取り入れるメリット、抽象物を取り入れるメリットなど。
具体物については、マジックテープタイプとマグネットタイプの比較記事も書いています。
その頃には視野に入っていなかったものの、最近わたしが魅了されているのが
フェルトおままごとの世界。
フェルトは柔らかくて温かみがあるので、赤ちゃんや子どもに与えるおもちゃ素材として人気があります。
市販品だけでなく、手作りのおもちゃとしても選ばれやすいフェルト素材。
この記事では、
について解説していきます!
子どもとおもちゃを愛する年子( 2歳女の子、1歳男の子)の母。
ヨーロッパを研究対象にする人文系研究者として、日本語では手に入れにくい欧米言語のおもちゃ情報も日本語に訳してご紹介しています。
幼児教育について提供する内容は書籍や公的機関の見解に基づきます。
YouTubeではKAPLAの遊び方を発信中。
おままごと食材の選び方
おままごと遊びは子どもたちにとって、日常の役割を学び、想像力を育む大切なプロセス。
女の子の遊びと思われがちですが、男の子も環境さえ整えれば楽しんで遊びますよ!
言語や社会性の発達などを考えれば、男女問わず、たくさん経験させてあげたい遊びです。
しかし、どんな環境を用意すればいいのか?について調べる保護者は、そんなに多くないような気がしています。
多くの親御さんは、調べても
- どんなキッチンにしよう?
- どんな食材を買ってあげようかな?
ぐらいではないでしょうか?
ですが、子どもの遊びの効果を最大化するためには、これだけでは足りません。
どうやって遊ぶかな?を予想・観察してキッチンをはじめとする家具を調整し、世界観を作り上げることが大切なのです。
この記事では、「世界観を作り上げる」ためにおすすめのアイテムとして、フェルトおままごとをご紹介します。
フェルトでのおままごとというと、市販品と手作り品のどちらが良いのか悩むこともあるでしょう。
ですので最初に、市販品の特徴から手作りのメリットまで、ままごと食材の選び方を解説します。
市販品はマグネットとマジックテープのどちらかが多い(具体物)
市販のおままごと食材は、マグネットやマジックテープを利用してパーツをくっつけたり、分けたりするものが多いです。
これにより、子どもたちは食材を切ったり、くっつけたりする遊びを楽しむことができます。
包丁の練習にもなりますし、これはこれで経験させてあげたい遊びなんですよね。
野菜や買い物に興味を持つきっかけとしても使えるので、わが家も最初に用意しました。
しかしそれらは、調理した後の姿がカレーだろうと煮物だろうとサラダだろうと、「野菜がごろごろしたもの」の域を超えません。
イメージを共有するためには高度な言語を必要とするので、
- 言語発達がゆっくりした子が遊ぶ際にフラストレーションが溜まる
- 大人が「いつも同じ遊び」に付き合うのに疲れてしまう
などのマイナスの効果も生んでしまうのです。
抽象的な具材と具体的な加工品
具体的(で限られた)食材でのおままごと遊びで言語化できない子どものストレスや大人のマンネリ化を助けてくれるのが、抽象的な具材。
こちらの『具材』は、木のおもちゃ屋さんでもよく見る人気のおままごと本です。
わが家もこの本を見て、抽象的なおままごとにシフトしました!
この本は、毛糸やエコアンダリヤ、クラフトペーパーなど、100均でも手に入る材料でさまざまな抽象的な具材たちを作る方法が解説されています。
抽象的な具材を組み合わせることで、かなりリアルな料理が作れるという優れもの。
しかも、
- 餃子を「包む」
- 鍋のなかで混ぜる
- お皿に盛り付ける
など、調理過程から調理後までの「体験」もリアルに再現できる点が魅力です。
これなら調理やコミュニケーションに無限の可能性が広がりますし、うまく言語化できない子もイメージで伝えてくれます。
もちろん、抽象的なおままごと=手作りしなければ、ということではありません。
市販品でおすすめのものもありますので、ご興味があれば抽象的な形の食材・具材を解説したこちらの記事をご覧ください。
抽象的な具材は、いろんな食べものになれる汎用性の高さが魅力です。
しかし細かいものも多いので、やっぱり誤飲しない年齢になってから使いたいですね。
また、話が戻るようですが幼い子には具体的なもの、本物を与えることも大切。
想像力が十分に育っていないと、抽象的なものだけ与えてもごっこの世界には入り込みにくいのかもしれません。
わが家の娘には1歳半以降、抽象的な具材を与えてみたのですが、シンク内でぐちゃぐちゃに混ぜてぶちまけるだけでした…
想像をはたらかせるためには、まずそれを知らなければなりませんよね。
抽象的な具材もおままごとの役に立っているのですが、3歳以下の場合にはそれだけでは足りないと思います。
遊びをより活性化して「ごっこ」に昇華するためには、食材を超えた、もっとリアルな具体物(加工品)が必要だと感じるようになりました。
おままごとの加工品にはどんな素材のものがある?
では、加工品を購入してあげるとすると、どんな素材を選べばいいのでしょうか。
結論:耐久性で選ぶなら木製。安く抑えたいならプラスチック製か手作り。手作りならぜひフェルトで!
耐久性を重視するなら木製がおすすめです。
有名どころだと、GENI(旧:Ed Inter)やWoody Puddy、マザーガーデンなど。
でもいろいろ揃えようと思うと値が張ってしまうのですよね。
コストを抑えたい場合にはプラスチック製や手作りが選択肢になります。
手作りでは毛糸や折り紙、布などいろいろな素材が選択肢になりますが、ここで推したいのがフェルト製!
フェルトは100均で手に入りますし、ハンドメイドマーケット(minneやCreema)で既製品を買っても比較的安価。
ボンドなどを使わずに作ることもできるので、安全性も高いです。
それなのに本物のような見た目のケーキやドーナツが届くので、ごっこ遊びが盛り上がること間違いなしですよ!
フェルトのおままごとのメリット・デメリット
フェルトおままごとのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
見た目が本物そっくり!手作りなら数やデザインが自由自在 手作りにしても既製品にしても、比較的安価に手に入る 作るプロセスを親子で楽しむことができる 赤ちゃんにも安心の素材。手洗いもできる 木のおもちゃとの相性が抜群! | 手作りには手間がかかる 毛羽立ち・汚れ・日焼けに注意。耐久性は高くない 木のおもちゃに慣れていると軽さが気になるかも 型崩れしやすい |
メリット①見た目がとにかく可愛い!手作りなら数やデザインが自由自在
フェルトのおままごとはなんといっても本物そっくりでありながら柔らかく可愛らしい見た目が特徴です。
原色でも印象が強くなりすぎないところも素敵!
最近はくすみカラーが人気で、パステルカラーやくすみカラーのおもちゃがよく売られています。
たしかに可愛いし癒されるし写真映えするのですが、小さな子は原色の方が認識しやすいのも事実。
フェルトなら、原色を使っていてもホッとする優しさがありますよ。
また、手作りなら数を家族の人数に合わせたり、近所のケーキ屋さんで売られているケーキに寄せたりすることもできます。
ドーナツひとつとっても、ミスタードーナツ派かクリスピークリームドーナツ派かその他のポップなドーナツ屋さん派かなどによって、好みの見た目は分かれますよね。
そんな小さなカスタマイズをいくらでもできてしまうのがフェルトおままごとの魅力のひとつです。
メリット②:手作りにしても既製品にしても、比較的安価に手に入る
フェルトは100均にも売っていますし、購入したとしても比較的安価です。
100均で手に入らない色だけ手芸屋さんで揃えるのもありだね!
「品質にこだわりがなければ」という条件つきにはなりますが、それもいいと思いますよ。
やっぱり品質の違いは感じます(手芸屋さんのフェルトの方が柔らかくて縫いやすい)。
ですので、そこは親の判断で。
わが家は、100均で手に入らない色や0歳の息子がよく口に入れる場所に置くおもちゃ作りにはサンフェルトのウォッシャブルフェルトを使用しています。
アベイル・コマドリさんで購入しているので、リンクを置いておきますね。
装飾や縫合には刺繍糸を使いますが、これも100均に取り扱いがありますよね。
縫うときの刺繍糸は一般的にフェルトの色に合わせて選ぶようで、こちらの値段がかさむ場合がありますが…
手芸屋さんに透明糸が売っているので、そちらを購入すれば刺繍糸代も装飾のみに抑えることができますよ!
透明糸はナイロン製の糸で、テグスのような縫い心地です。
最初は少し縫いにくさを感じるかもしれませんが、最初に糸を長く取りすぎないよう気をつければ大丈夫です。
わが家はこれプラス装飾用の刺繍糸(ダイソーでセットのものを購入)だけで、ドーナツにパンケーキ、ホールケーキなどたくさんのお菓子を作れています!
あと必要なものは、フェルトを切るはさみと型紙。
型紙は理想に近いものを購入するのもよし、図書館や本屋さんで手に入れた本の型紙をコピーするのもよしです。
作るのに便利なアイテム・本などは長くなりそうなので別記事でまとめますね。
いずれにしても、低コストで始められることが魅力です。
そしてそれゆえか、minneやCreema、メルカリで既製品を販売される方の価格設定も比較的安価。
作るのは苦手!そんな時間はない!という人は、既製品を買ってしまうのもひとつの手です。
既製品を購入するときは、グルーガンやビーズなど、フェルトと糸以外に使用された材料を確認するようにしましょう!
フェルトおままごとには、明確な安全基準がありません。
自己責任だということをお忘れなく。
ですので、アレルギー持ちのお子さんや赤ちゃんがいるご家庭はなおのこと、材料のチェックは欠かさないでくださいね!
メリット③:作るプロセスを親子で楽しむことができる
お子さんがもう針を使える年齢だったり、下の子とのおままごとのために準備するということなら、手作りを一緒に楽しむのもいいですね。
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この本には、針と糸を使わないおままごとおもちゃもたくさん紹介されています。
kindleunlimitedは契約してから1ヶ月間は無料なので、その間に解約してしまえば完全無料で使えてしまいます!
手作りおもちゃの本やLaQの遊び方なども読み放題の対象になっているのでおうち遊びの強い味方になってくれますよ!
メリット④赤ちゃんにも安心の素材。手洗いもできる
フェルトにはいくつかの種類がありますが、ウォッシャブルフェルトを使えば手洗いができます!
洗いたい場合には、厚紙を使うところを別の防水素材に置き換えるなどの工夫を忘れずに。
フェルトは赤ちゃんから使えるおもちゃにもよく使われる素材です。
例えばドイツの大手トイメーカーであるgokiからはスタックボックスなどが販売されています。
羊毛フェルトは自然素材の使用を推奨するシュタイナー教育でもよく使われる素材ですね。
天然のフェルトと化学繊維のフェルトがありますので、気になる方は素材にこだわって選ぶこともできるのが魅力です。
メリット⑤:木のおもちゃとの相性が抜群!
フェルトと木って、すごく合うのですよ。
もう、心から優しい世界観にうっとりしてしまいます。
木のおもちゃ好きさんなら、カトラリーやポットなどは木製で揃えて、ケーキなどだけフェルトで用意してみるのはいかがですか?
積み木でファンタジーの世界を作るときも、ぜひフェルトおままごとを参加させてあげて欲しいです。
わが家の娘は、オストハイマーの動物たちにドーナツを振る舞っていました。
木とフェルトの相乗効果でとにかく癒されます。
アンブロシウスフェアリーのようなフェルトの人形が積み木好きさんに人気の理由もわかる気がします。
デメリット①:手作りには手間がかかる
続いてデメリットです。
フェルトのおままごとはほとんど手縫いですので、お裁縫が苦手な方には辛い作業になると思います。
手間を愛情と捉えられるかどうかは人によりますので、無理はなさらないようにしてくださいね。
無理して作るより、笑顔でいてくれた方がお子さんは幸せですから。
アレンジ好きには趣味の時間として楽しめると思います。わたしはこっち派なので手作りをしています。
デメリット②:毛羽立ち・汚れ・日焼けに注意。耐久性は高くない
フェルトは優しい素材ですが、優しさゆえに摩耗しやすいというデメリットがあります。
使っているうちに毛羽立ってきたり、汚れたり。
日の当たる場所に起き続けていると、日焼けすることもあります。
その意味で耐久性は高くないので、お子さんが小さい頃のおもちゃと割り切って用意することが必要です。
デメリット③:木のおもちゃに慣れていると軽さが気になるかも
普段木のおもちゃで遊び慣れていると、フェルトおもちゃの軽さに驚くと思います。
わたしも初めて作ったドーナツを持ったときは、「軽っ!」と少し困惑しました。
でも今では慣れて、木のおもちゃとフェルトのおもちゃをどちらも楽しく使っていますよ。
デメリット④:型崩れしやすい
これは耐久性にもかかわることですが、フェルトのおままごとは使い方によってはヘタります。
例えば赤ちゃんが舐めて湿らせたり、お煎餅のように潰してしまったり…
小さな子供が使うものなので、綿のボリュームが落ちてしまうのはある程度は仕方ないですね。
綿がヘタったり、偏ったりすることで型崩れすることがあります。
それを防ぐためには、
- 最初に硬めに作る
- キルト芯をところどころ入れ込む
- 厚紙など補強材を使う
などの対策をしておくといいでしょう。
フェルトおままごとを実際に作ってみました!
わが家は現在、おままごと強化期間中です!
クリスマスにショーケースなどのDIYでお店屋さんセットをプレゼントしようと計画しているので、それに先行して商品を作っているところ。
いろんなお店が日替わりでできると大人も付き合っていて楽しいな〜と感じるので、時間をかけていっぱい作る予定です。
すでに作ってみたのは、ドーナツとホールケーキ、マカロン、パンケーキ!
作った順にご紹介していきますね(随時追加予定)。
照り焼きチキンさんのドーナツ
ドーナツは照り焼きチキンさんが公開されている無料の型紙を使わせていただきました(ミスド系です)。
フェルトも型番が同じものをポチり。糸だけ透明糸&100均で代用しています。
まだ途中ですが、ドーナツだけですごい量になってしまいそうなので一旦中断して他の製作に移っていますが、作ったものがこちら!
トレーには、おうちモンテッソーリ教育で人気のボヌールを使っています。
これだけでもドーナツ屋さんごっこが捗りそうですね。
ホールケーキ
こちらは基本的にオリジナル。
クリームだけInstagramで型紙を販売されている@sodacafe_feltさんの「いちごスイーツ」に使われていたタルトの型紙を使用させていただきました。
クリームしか乗っていないのは、これがフレームとして機能して飾り付けを楽しんで欲しいから。
イチゴやりんご、オレンジ、バナナなどを好きに飾りつけられるようになっています。
これらのフルーツはクレープやパフェ、パンケーキなどの装飾にも使えるのでこれから量を増やしていこうと思っています!
ソーダカフェさんのマカロン
こちらも@sodacafe_feltさんの型紙を使用。「いちごスイーツ」のものです。
美味しそうですよね〜。
真ん中に白いフェルトを挟んだのは、マカロンにこだわりのある夫からのリクエストによるアレンジです。
色は、パリ土産として人気のあるラデュレのマカロンをイメージしました。
マカロンに使うフェルトはそこまで多くないので、ダイソーでセット売りのものを購入しています。
この写真で使っている可愛すぎるティーセットは、おもちゃのだいわさんとCalon styleさんのコラボ商品(数量限定品)です。
お菓子もついてきますし、小さくてとにかくかわいいんですよ〜!
ソーダカフェさんのパンケーキ
そして現在製作中なのが、パンケーキです。
これまた@sodacafe_feltさんの型紙(こちらは「パンケーキ」の型紙です)から。
ソーダカフェさんの作られるスイーツが好きすぎます…
パンケーキが出来上がったら、こちらの記事に追記します。
洋菓子シリーズはまだまだ続く予定ですので、おすすめの型紙等もあらためてお知らせしますね!
フェルトおままごとのメリット・デメリットまとめ
この記事では、フェルトおままごとのメリット・デメリットについてご紹介しました。
最後にもう一度まとめておきますね。
メリット | デメリット |
---|---|
見た目が本物そっくり!手作りなら数やデザインが自由自在 手作りにしても既製品にしても、比較的安価に手に入る 作るプロセスを親子で楽しむことができる 赤ちゃんにも安心の素材。手洗いもできる 木のおもちゃとの相性が抜群! | 手作りには手間がかかる 毛羽立ち・汚れ・日焼けに注意。耐久性は高くない 木のおもちゃに慣れていると軽さが気になるかも 型崩れしやすい |
簡単にまとめると、
おままごとの加工品を作って遊ぶならフェルトがコスパ最強!
だけど長持ちはしないから子どもが幼い間のおもちゃだと割り切ってね!
という感じでしょうか。
そして、作ってみたわが家の娘の反応はというと…
毎日夢中でおままごとをするようになりました〜!!
新しいものを与えるたびに、とっても嬉しそうに笑ってくれます!作ってよかったです!!
2歳になったばかりの娘は食べたことのないお菓子ばかりですが、いつも絵本や図鑑で見てますからね。
きっと頭のなかではたくさん食べて、美味しい食べものだとインプットされているのでしょう。
キッチンは階の違う子供部屋にあるので、とりあえず洋菓子セットは現在リビングに設置しています。
毎日がスイーツパーティといった感じで、楽しそうに盛り付けたり、
ハッピバースデートゥーユー
と歌ったり。
わたしも夫も、おままごとに参加するのが前以上に楽しくなりました。
フェルトおままごとに興味がおありなら、この機会にぜひ踏み出してみてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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